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教えて住職さん

法名の法に込められる意味

ナヤムさん
ナヤムさん

住職、この前「法名て何?」で話をされていた法名の法の意味が気になって夜も眠れません。

さすが、ナヤムさん!いつも向上心が高くて素晴らしいね。それじゃ~今回は法名の法に込められている意味について説明しましょう。

フミオ住職
フミオ住職

法という漢字の意味

仏教において「法」は大きな意味を持っています。それは、仏教が特に大切だと考える要素である三宝「仏・法・僧」の中に「法」が入っていることからも明らかです。

ちなみに、三宝の仏とは仏教の開祖である「仏陀」を意味し、法とは「仏陀の教え」を意味し、僧とは「仏の教えに従い悟りを目指して修行する人々」を意味します。

そして、法という漢字ですが「氵(さんずい)」と「去(さる)」という字で構成されています。

さんずいには、水という意味があります。水は、形を持たない物質です。汲み入れられた容器の形に合わせてその形を変容させることができます。水は特定の形を持たず環境に合わせてその形を変容できるわけです。

また、去という漢字は、ある場所から離れる、遠ざかるという意味、地位や職業等を退くという意味や、時間が過ぎるという意味など様々あります。去るという字には、時間、場所や地位など何かしらから「離れる」という意味があるわけです。

この2つの漢字から形成されている「法」という漢字には、「水のように柔軟に移り変わり流れていく(離れる)」という2つの漢字の意味合いが込められています。

浄土真宗は阿弥陀様が説かれる法(物事にこだわりや偏見を持たずに生きる事)に従い生きることを旨とする宗教です。そのこだわりや偏見を持たずに生きるという様を法という漢字が的確に言い表しているわけです。

そのため浄土真宗では仏弟子になる際に与える名前として、戒名ではなく法名という言葉を使用している訳です。

ナヤムさん
ナヤムさん

なるほど~~!そんな意味が法という漢字にあったんですね・・。驚きました!!

そうなんですよ。普段何気なく使っている言葉にも奥深い意味が以外にあったりするんです。

フミオ住職
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