境内に咲き始めた桜
まだ、寒い日がありますが春の陽気が感じられるようになった今日この頃、当寺の境内にも桜の花がほころび始めました。まだ満開には早いものの、ひとひらひとひらと咲き始めた姿に、自然の移ろいを感じずにはいられません。

仏教では「諸行無常(しょぎょうむじょう)」という言葉があります。この言葉の意味は、すべてのものは移り変わり、常に変化し続けるという事です。
桜の花も、芽吹き、咲き、やがて散っていく、桜の花はまさにこの自然の摂理を体現している物の1つだと感じます。
桜が美しく咲き乱れる期間は短く、満開であっても数日後には散ってしまいます。桜の花の寿命は儚いものですが不思議なことに、私たちはその「散ってしまう」儚さの中に、かえって深い美しさを見いだします。余談ですが、その桜の花が持つ儚さが、桜の花を日本が誇る代表的な花にしたのではないかと思います。

仏教でも、限りある命の中にこそ、目を向け、感謝し、慈しむことの大切さが説かれています。咲き始めた桜の花を見ているとあらためて、その事が思い起こされます。
今年も、桜の花に色々と学ばせともらおうと考える今日この頃です。