家庭での報恩講とは
住職、前回「報恩講て何?」で報恩講について詳しく説明していただきましたが、今回は家庭での報恩講の行い方について説明していただいても宜しいですか?
今年は、報恩講を家でも行いたいと思っているので気になっています。
家庭での報恩講まで考えているとは、ナヤムさんは敬虔(けいけん)な浄土真宗門徒だね。それじゃ~今日は家庭報恩講について説明しよう。
目次
家庭での報恩講に関して
さて、報恩講は親鸞聖人の恩に報いる集まりということで前回の「報恩講て何?」で説明しました。今回は、報恩講を家庭で行う上での考え方についてご案内します。
家庭での報恩講の目的も、 親鸞聖人、浄土真宗の本尊である阿弥陀如来様に対して感謝をすることです。そのため、家庭での報恩講も基本的には親鸞聖人や阿弥陀如来様のご恩を味わいながら浄土真宗のみ教えを聴聞していただきます。
菩提寺がある方は、菩提寺の住職に家庭報恩講を努めたい旨を伝えていただくと家庭報恩講を勤めていただくことができます。
菩提寺が無い方は、お近くの浄土真宗系のお寺にご連絡していただくと家庭報恩講を勤めていただくことができます。
また、最近では僧侶派遣などを行っている企業も存在するのでそれらの企業に報恩講を依頼しても良いかと思います。
順教寺の報恩講について
本来宗教行為は強制されるものではありませんので、門徒だからといって家庭報恩講を行う必要はありません。多くのお寺は希望性で家庭報恩講を実施しています。
順教寺の家庭報恩講も希望制です。中止のご連絡がない限り、お寺が日程を調整して毎年ご案内をお送りしています。お参りの所要時間は約30分で、次々にご家庭をお参りします。例年10月中旬から12月上旬にお参りを行っています。
地域によって違いますが、順教寺では家庭報恩講を行う際は、正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)と御文章の拝読を行っています。
一般家庭での報恩講仏壇の飾り方
家庭報恩講の飾り方も年忌法要の飾り方と同様で問題ありません。可能であれば五具足(花立×2、香炉、蝋燭立て×2)、なければ通常の三具足で飾ってください。
時期的に打敷は冬用を掛けます。冬用とは別で赤い打敷があればそちらを掛けて下さい。(誤解を恐れずにいうと赤や朱色が報恩講カラーです)水引(下掛け)と呼ばれる四角形の布があればそれも飾ってください。
ご興味おありな方は是非、お近くのお寺や菩提寺に報恩講のご依頼をしてみてください。
住職ありがとうございます。家庭での報恩講の行い方が良く分かりました。つきましては、家庭報恩講をお願いしても宜しいですか。
もちろん大丈夫だよ。それじゃ~ナヤムさんの家に今度伺わせてもらうね。
著者:釋 文雄(しゃく ぶんゆう)浄土真宗本願寺派 順教寺 住職
1948年に生まれ、1960年に得度を受け、1974年には寺院の住職の資格を得る。以後、本願寺派の布教使としての活動を開始。1977年に当寺院の第14代住職に就任し、現在に至る。浄土真宗本願寺派の僧侶として、50年以上の経験があり、布教使として各寺院や講演会での法座の登壇回数も延べ1,000回を超える。これまでの、浄土真宗僧侶としての経験を踏まえて仏教や浄土真宗の教えを伝えるために「教えて住職さん」のブログの情報発信を行う。