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教えて住職さん

お彼岸とお墓参り

ナヤムさん
ナヤムさん

住職、この前、お彼岸の意味を説明していただいて良く意味は分かりました。でも、お彼岸にお墓参りをする理由がまだ自分の中で曖昧で良く分かりません。

そうだね。前回、その部分は説明していなかったから今回はお彼岸にお墓参りをする理由について説明しよう。

フミオ住職
フミオ住職

お彼岸にお墓参りをする理由

元々お彼岸には「さとりを開くという事」や「お浄土(じょうど)」という意味がありました。そのため、お彼岸には特に力を入れて僧侶はさとりを開く修行をしていました。

この修行に対する考え方は仏教の各宗派により違います。多くの宗派では、「六波羅蜜(ろくはらみた)」を実践していました。また、浄土真宗では「お念仏と聞法(もんぽう)」に力を入れていました。

その修行の場は、彼岸会と呼ばれていました。もともと彼岸会は、僧侶が修行の場として使用していた言葉でした。しかし、時が経ち仏教が色々な人々に受け入れられる中で庶民の間で彼岸会は「彼岸」という言葉で定着しました。

そして、その彼岸という言葉が定着するとともに彼岸の解釈が庶民の間で拡大されていきました。もともと、日本ではご先祖様を崇拝する風習が強く根付いていました。

そして、春分の日と秋分の日の前後3日間に春は豊穣を秋は収穫をご先祖や自然に祈る「日願(ひがん)」という風習がありました。

その先祖崇拝の「日願」の風習とお彼岸という仏教の文化が融合して現在のお彼岸文化が形成されたと言われています。

そのため、彼岸の意味の中には、「さとりを開くために修行をする事」と「先祖を偲びそして感謝する事」が含まれるようになったと言われています。

以上の背景から、お彼岸にお墓参りを日本ではするようになったと言われています。

※お彼岸の成り立ちには諸説ありますが、ここではその中で一番有力だと言われる説を紹介させていただいています。

ナヤムさん(納得)
ナヤムさん(納得)

そ、そ、そういう訳があったんですね。仏教の考え方と先祖崇拝の考え方が融合して、今のお彼岸文化が形作られたんですね。

ナヤムさん
ナヤムさん

住職、お彼岸にお墓参りする理由は分かったんですが、我々はお墓参り以外に何をしたらいいんでしょうか。

さすが、ナヤムさんいい質問だね。それじゃ~次はその質問について回答させてもらおう。

フミオ住職
フミオ住職

お彼岸に私達が実施した方が良い事

お彼岸には、私達が行った方が良い事は「先祖への感謝」と「修行(仏教の教えに耳を傾ける事)です。ここでは、それぞれの行った方が良い事についてご案内します。

先祖への感謝(お墓参り)

  • お墓の清掃:
    • お墓の周りを掃き清め、墓石はキレイに水垢、カビや塵を拭き取りましょう。
  • お供え:
    • 春彼岸は春の花を供え、秋彼岸は秋の花をお供えしましょう。また、一般的なお供え物として春彼岸にはぼたもち、秋彼岸にはおはぎが良く供えられています。
  • お念仏:
    • 自分の宗派のお経を読経しお念仏を称え(となえ)ましょう。

先祖への感謝(仏壇参り)

  • お仏壇の清掃
    • いつもより念入れに隅々まで誇りなどをふきとりましょう。
  • お供え
    • 蝋燭、線香、お花の飾りつけを行いましょう。
  • お念仏
    • 自分の宗派のお経を読経しお念仏を称え(となえ)ましょう。

修行(仏教の教えに耳を傾ける)※浄土真宗の宗派の方は聞法を行う。

  • お墓やお仏壇にお参りをして自分の宗派のお念仏を称えましょう。
  • お近くのお寺で開催される彼岸会に参加し、御仏の教えに耳を傾けましょう。
  • 仏教の教えについて勉強しましょう。まずは、自分の興味がある教えから勉強してみましょう。

ナヤムさん(納得)
ナヤムさん(納得)

住職、ありがとうございます。大変勉強になりました。今年のお彼岸は、「ご先祖への感謝」と「聞法」を頑張ります。

ナヤムさんは、勉強熱心だから話をしていても気持ちが良いよ。今度は、ぜひお寺にお参りに来てよ。

フミオ住職
フミオ住職