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若院のつぶやき

若院のつぶやき

今日の朝日新聞に「バイ菌扱い・子の登園自粛要求」という記事が、26面に載っていました。内容は、新型コロナウィルスに対応した医師や看護師らが職場内外で不当な扱いを受けていてるという記事でした。その記事によると、コロナウィルスの災害派遣医療チームとして活動されている多くの医師や看護師の方々が、その職場でバイ菌扱いされるケースが多発しているとのことです。また、当人だけでなくその家族も子供の保育園や幼稚園から登園自粛を求められているとのことでした。さらに悪いケースでは、職場の上司から現場で活動したことに対する謝罪が求められる例もあったそうです。

東日本大震災で引っ越しを余儀なくされた方々が、引っ越し先で同様の扱いを受けていることと良く似たケースだと感じました。コロナウィルスが蔓延する現場で戦った人は、一つの視点で見れば、コロナウィルスと勇敢に戦った人は、自分の命も省みず他人を救った英雄だという見方別の視点では、彼は濃厚接触者なのでウィルスを保菌している可能性が高く、自分たちに危害を及ぼす人という見方ができると思います。
どちらの視点でみるのが正しいかの判断は、そんなに難しいことではないように思えます。ただ、それが時に人は中々できないのは何故なのか考えさせられる記事です。

考える

自分がされて嫌なことは他の人にもしてはいけない」、これは学生の時に家庭や学校で私が学んだ考え方です。似たようなことを多くの方は学んだことがあるのではないでしょうか。仏教には、「どこまで探し求めようと、人は己より愛しきものを見出すことはできない。そのように他の全ての人々にとっても、自己はこの上なく愛おしい。それゆえに、己の愛しいことを知る者は、他の者を害してはならない」という教えがあります。自分を大切にするなら、人の事も大切にしないといけない。人類が古来より向き合ってきた、この当たり前のようで、難しい課題に対して、今、行動でその答えを示すことが求められている気がします。