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教えて住職さん

初七日法要は、なぜ必要なのか?

ナヤムさん(納得)
ナヤムさん(納得)

フミオ住職、この前49日法要の説明をしていただきありがとうございました。非常に勉強になりました。

それは、良かった。どういたしまして!

フミオ住職
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ナヤムさん(納得)
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前回の49日の説明の際に、初七日や49日以外にも様々な月忌や年忌法要があるということを聞いて、他の法要についても興味を持ちました。

ナヤムさん、それは素晴らしいことだね。新しい発見があると嬉しいよね。よし、それじゃ~今日は初七日について説明しよう。

フミオ住職
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初七日(しょなのか)法要とは

仏教では、亡くなった人は死後の49日の間に生と死の間を彷徨い生まれ変わり先を探すとされています。

この49日の期間のことを中陰(ちゅういん)や中有(ちゅうう)と言います。

この中陰の期間内に、7日ごとに故人のために供養を行えば、故人は現在よりも良い所へ生まれ変わるとされています。

初七日法要も中陰の期間の間に行う供養の1つです。

日本の仏教の中陰の考え方は、中国の十王信仰の考え方がベースで成り立っています。

十王信仰はこちらを参照してください。

十王信仰の考え方が気になる方は、ブログ「49日法要はなぜ必要なのか?」をチェックしてください。

十王信仰は、死んでから49日まで7日ごとに閻魔様などの冥界の十王に生前の行いを裁かれるという信仰でした。

初七日は、その最初の裁きの日です。この裁きの結果の良し悪しが死者の次の生まれ変わり先を決めるとされています。

死者の裁きの結果は、生前の故人の行いと遺族の追善供養の態度で決まるとされています。

遺族は、故人が少しでも良い所に生まれ変わってもらうために49日までの期間は特に念入りに追善供養を行う必要があるとされています。

初七日に裁く不動明王(ふどうみょうおう)

49日までの期間、故人は7日毎に裁かれます。7日毎に故人の裁きを行う、裁判官は違います。

初七日の裁判官は、不動明王(秦広王)だとされています。不動明王は、故人が生前に行った殺生について裁判を行うとされています。ここでは、初七日の裁判官である不動明王についてご案内します。

不動明王は、インド発祥のヒンズー教の三大神の一人である「シヴァ」神に由来しています。

「動かない(不動)守護神」という意味があります。真言宗の開祖である空海が日本に伝えた仏とされ、大日如来(だいにちにょらい)の化身とされています。

不動明王は真言宗以外にも、天台宗、日蓮宗や修験道で広く信仰されています。

不動明王は、右手には倶利伽羅剣(くりからけん)という剣を握り、左手には綱を持ち、背に火焔(かえん)を背負い、険しい表情で右目は天に向けられ、左目は地面に向けられた姿で像や絵に表現されることが多い仏様です。

不動明王が右手に持つ倶利伽羅剣は、人の持つ煩悩を粉砕する剣とされています。そして、左手に持つ羂索(けんさく)は、煩悩で苦しんでいる人達を救い上げ、その苦しみから解放する道具とされています。

そして、背に負う火焔(かえん)は火焔光背(かえんこうはい)とも呼び、人の持つ煩悩を焼き尽くすとされています。

右目が天に向けられ、左目が地面に向けられている様は天地眼(てんちがん)とも呼ばれ、天地を隅々まで見守っているという意味があります。

不動明王の出で立ちは全霊をかけて人を救済しようとしている様を表現していると言われています。あらゆる人々を救おうという慈悲深い仏様です。

不動明王の詳細はこちらを参照ください。

不動明王について気になる方は、成田山新勝寺のHPを参照してください。

浄土真宗における初七日の考え方

「初七日法要とは」の項で触れた一般的な初七日とは異なる考え方を基に、浄土真宗では初七日法要を実施しています。

浄土真宗は、阿弥陀仏さまの本願を信じ念仏するものは、この世の命を終えると、浄土に往生して速やかにさとりを開くという教えです。

そのため、初七日からなる法要は追善供養という意味合いでは行いません。

代わりに、浄土真宗の教えに触れ、故人を偲びそしてご自身の人生がさらに豊かになる道を模索していただく場だと考えられています。

浄土真宗では、葬儀や初七日法要などの場は、生と死が交わる瞬間ととらえています。また、故人と遺族、故人の親族や縁者同士、そして浄土真宗の教えなど様々な縁が結ばれる場ともとらえています。

そのため、浄土真宗では葬儀や法要などの場では、ご参列者の方々が様々な縁に触れ死と生を意識することで、改めて自分のこれまでの生き方やこれからの生き方を問い直していただくことに重きを置いています。

そのため、初七日法要や今後49日法要などにご参加の場合は、故人を偲ぶとともに自分の生き方についても考えていたっだけると幸いです。